教育・研究
回り道の多い仕事っぷりです
教育信条
大学での教育実践のあり方については,元日本福祉大学 二木立先生,元千葉大学 宇佐美寛先生の著作から多くを学びました.実習教育等は学外の研修で他校の実践から学ぶことも多いです.
☆表面的に「平等に」関わることは学生のためにならない:学生の権利は等しいがその能力には違いがある.だからゼミや実習指導等で個別指導が必要な学生には時間をかける.一方である程度「できる」学生には過度に指導しないよう心掛ける.
☆レポートや課題は「形式第一、内容第二」(二木先生):文法を含めた形式の指導はするが、思想信条には極力立ち入らない.
☆学生との付き合いは「来るもの拒まず去る者追わず」:べったりした付き合いはしない.というとかっこいいですが,能力的・性格的にできないといった方が正確です.
担当経験のある科目
(主なもの)
非常勤を含めいろんな科目を担当しました.お仕事を任せていただいた皆さんに感謝です.
社会福祉(保育士課程)(看護師課程)
子ども家庭福祉(保育士課程)
子ども家庭支援論(保育士課程)
保育実習指導・施設(保育士課程)
子育て支援(保育士課程)
現代社会と福祉(社会福祉士課程)(共通教育科目)
社会保障(社会福祉士課程)
公的扶助論(社会福祉士課程)
相談援助の基盤と専門職(社会福祉士課程)
相談援助実習指導(社会福祉士課程)
権利擁護と成年後見制度(社会福祉士課程)
ほか,保育士キャリアアップ研修や子育て支援員研修,家庭的保育研修も担当させてもらいました.
研究信条
学生時代からお世話になった,故・三塚武男先生をはじめ生活問題研究会での出会いに大きく影響されました.
☆「くらしの声に耳を傾ける」
☆「こつこつ現場を歩く」
☆「日常語で表現することを努める」
研究テーマ
三歩進んで二歩下がり立ち止まる繰り返し
貧困問題とその対策
住民主体の地域福祉のあり方
子ども・子育て世帯への支援のあり方
が主な関心です.
スタートは元職場でもあった救護施設の研究からでした.最近はロスジェネ世代の端くれとして,子育て世代の生活困窮に目を向けたいと勉強しています.生存権を大切にした研究を目指しています.
地域福祉はその成立の前提が揺らいでいると感じています.このままでは地域丸投げ社会になるのではと危機感もあります.
特に最近は(今更ながら)歴史をしっかり勉強する大切さを痛感しています.戦争と福祉の関係など,学びだすときりがないほどですね.
保育士養成課程で働くようになり,また子どもの成長に伴い,今の公教育のあり方や子ども施策のあり方にも疑問を感じるようになりました.今後深めていきたいと考えています.
【所属学会】
社会政策学会
貧困研究会
日本社会福祉学会
日本地域福祉学会
日本社会臨床学会
全国公的扶助研究会
日本保育ソーシャルワーク学会
学外活動・社会貢献
様々な現場で学ぶチャンスをいただいています.すでに役割を終えたものも含めて,現場から学ぶことはたくさんあります.
大津市市平野学区社会福祉協議会 参与
米原市子どもの貧困対策ワーキング会議
吹田市地域福祉計画推進委員会 副委員長
摂津市地域福祉計画推進協議会 会長
摂津市民生委員推薦会委員
などを歴任・継続しています.
書いたもの
コツコツと,そして細々と
<著書>
加美嘉史,松木宏史監修(2019)『救護施設からの風』クリエイツかもがわ
井岡勉,賀戸一郎監修(2016)『地域福祉のオルタナティブ』法律文化社 担当箇所:第2部第3章 基礎自治体における地域福祉政策と地域福祉計画の可能性
埋橋孝文編(2013)『福祉+α 生活保護』ミネルヴァ書房 担当箇所:「食わせて寝かせる」から40年―救護施設と「最低基準」
埋橋孝文,中川清編(2011)『生活保障と支援の社会政策』明石書店 担当箇所:第7章 地域に根ざした施設発のソーシャルワーク
中川健太朗監修(2003)『救護施設との出会い』クリエイツかもがわ 担当箇所:地域でくらす,地域にくらす
野村拓監修『21世紀の医療・介護労働』本の泉社 担当箇所:救護施設から「介護」を考える(松木まゆみとの共著)本の泉社
ほか,社会福祉・子ども家庭福祉・相談援助等のテキスト作りに参加.
<論文等>
松木(2023)「救護施設から見た福祉現場での『働き方』」大原社会問題研究所雑誌775号
松木(2023)「(研究報告)『不登校』と生きる―はっきりとはわからない それが辛いのです」国際研究論叢36巻3号
松木(2021)「救護施設での暮らし再考」貧困研究26号
小田川華子, 村上英吾, 松木宏史(2017)「働く貧困層の住まいの実態」社会福祉研究130号
松木(2015)「あなたも一緒に,ぼちぼちと 平野学区ふくしのまちづくり計画ができるまで」調査報告書
松木(2013)「(研究ノート)『子どもの貧困』と保育士養成―保育士のソーシャルワーク機能をめぐって」滋賀短期大学研究紀要38号
松木(2010)「介護保険10年、現場を担う専門職養成はいま 」Int'lecowk65巻11号 など
トピックス
佛教大学加美先生と監修した「救護施設からの風」クリエイツかもがわ ぜひ手に取ってください.